「具体」と「抽象」の世界とは、まさに「パラダイムの違い」そのものである
「具体」と「抽象」では見える世界が異なる。しかし、その世界はトレーニングによって行き来ができるようになる、というお話
お久しぶりです。本当に久しぶりで、こんなに更新の間が空いたのはこのブログ開設以来初ではないでしょうか
おかげさまで文章を書いている今も、冒頭の「〜というお話」の部分を決める時点で書くのがヘタクソになったな、と実感しております
文章を書くこともスポーツに似ているんでしょうかね
さて、以前より読み進めております、「具体⇄抽象」トレーニング
これを記事にしようと思うのですが、「めっちゃ面白い!」と同時にまぁ難しいこと難しいこと
「抽象って何?」「具体って何?」という根本的な問いから、具体と抽象を生きる人には世界がどう見えていて、お互いどんな軋轢を生んでいるのか、など本当に目からウロコのことを学べる良書です
そもそも「具体的に説明してよ」とか「抽象的すぎて分からない」的な言い回しで日常から良く使う言葉であるにも関わらず、その言葉自体を意識したことなかったので、多分皆さんも読んだらびっくりするくらい「そんなこと考えたこともなかった〜」と感じるはずです
だからこそ、こんな素晴らしい本、内容を紹介したいところなのですが、この本のサブタイトルを良く見てみてください
「思考力が飛躍的にアップする29問」です
そうなんです。随所に「具体と抽象」という観点から考えてください
と読者に対して本当に演習問題と称してトレーニングをしてくれるんです
読んで「あー勉強になった」で終わる本ではないんです
読んで、考えて、書き出してなんぼ
つまり、僕が言いたいのは
「とりあえず買って読んでみて!」ということです。まとめるのを放棄したくなるくらい伝えるのは僕の小さな頭では難解です(^^;
でも読めば分かる。「あーなるほど」となるはずです
というわけでそんなお伝えしづらい内容の中で僕が印象に残った部分をお話しすることで学びを共有したいなと思っています
例えばあなたがコンビニチェーン店のオーナーで3店舗経営しているとします「A店とB店はスイーツの売り上げが好調なのにC店は売り上げが伸びないな」という問題を抱えています
あなたがまずこの問題を解決しようとするときにするのは「じゃあA店とB店に置いてある商品と全く同じものをC店に置こう!」としますか?
すぐに問題解決に動くわけではなく、「そもそもC店のスイーツの売り上げが伸びないのはなぜだろう?」と問題の発見をしようとしませんか?
「C店ではスイーツ(具体①)のほか、サンドイッチ(具体②)と紅茶(具体③)、などの売り上げが伸び悩んでいる」
3つの具体的な事象からそもそもC店のエリア周辺のことを見渡すと工場が多く、力仕事をする男性客の利用が多い(抽象)ことがわかりました。
「C店ではおにぎり(具体④)、インスタントラーメン(具体⑤)、炭酸飲料(具体⑥)の売り上げは好調だ。それは力仕事をする男性客が多いことが関係していたのか」
これがいわゆる抽象化の「まとめて一つにする」「分類する」「線引きする」「都合の良いように切り取る」「見えない線を繋ぐ」といった働きです
この行為によって問題を同定し
「じゃあどのように売り上げを伸ばして行こうか?」という行動に移るための具体化という作業によって問題を解決に導きます
このように問題に対して、抽象化、具体化を操ることでより高い効果を上げることができるようになるわけですね
こう言った思考力を養うために本書を読むことを通して考えることで、思考力を鍛えていきます
つまり、僕ができるのは紹介まで!あとはぜひ購入してください!もちろんマージンなんてありませんよ。ただ本当にいい本なので手にとって欲しいだけです(^^;
そして実はこの、物事を「抽象レベルで考える」「具体レベルで考える」という視点の違いによってコミュニケーションギャップや軋轢も生じてくるのだと著者は話します
具体という世界に生きる人と抽象という世界に生きる人の見え方の差があるのだと
言わずと知れた
「踊る大捜査線」の青島警部補が事件を目の前にしてなかなか行動を起こそうとしない上層部に物申す名ゼリフ
「事件は会議室で起こっているんじゃない。現場で起こってるんだ!」
ドラマなので会議室で上層部が話しているのは警察組織の保身だったり、メンツに関することであるわけで、”悪”のように描かれますが、実際には抽象的な立場、俯瞰した視点から「今必要なこと」を必死で考えていると思うんです
でも、実際犯人と目の前で対峙している現場からすると「グズグズしている暇はないんだぞ」とストレスになる「上は本当に現場のことがわかってない」と。
お互い事件を解決しようと必死だけど、視点の違いでトラブルになる
これは僕たちが働いたり、学校に行く中でも日常的に起こるトラブルではないでしょうか
「上司はわかってない」「先生はわかってない」と
でもそこにあるのは単に視点の違いなんです。どう見るか、
そしてこれを読んでいて思いました
7つの習慣でコヴィー先生が言っていた「パラダイムの違いを受け入れる」というのはまさにこの「具体レベルと抽象レベルで捉え方は違うけど、どちらも間違いじゃない」というのを端的に表しているんじゃないかなと思ったんです
人は知識や経験が違うのはもちろんのこと、この一つの事象を具体レベルで見るのか、抽象レベルに視点を引き上げてみるのか、こうした視点の違いでも反応は全く違ってきます
この具体⇄抽象トレーニングが言わんとしているのは思考力を伸ばすには具体と抽象を自在に行き来できる力を養うこと、としているのでどちらが正しいということではありません
ただ視点の違いを知ること、そして行き来できる力を得ること、受け入れること
これによって人間としての魅力や知能が育まれていくのではないかと思います
僕は以前の記事でも書いたように具体レベルでしか物事を捉えられない人間です
ただ、この視点の違いがあることをまずは知る
そしてトレーニングを重ねることで力を養うことができることを知ったので日常の些細な疑問や問題に対して「それってどういうことを意味するんだろう」と考えるクセをつけていきたいと感じました
7つの習慣然り、一朝一夕ではなし得ないことなので細く、長く学んでいきたいと思います
ではまた!
らこ太