人生を豊かにするための”信頼口座”の預け入れ方
良好な人間関係を構築・維持していくことを理解するためには人間関係を”口座”に例えるとわかりやすい、というお話
みなさん、誰しも銀行の預金口座をお持ちではないかと思います
毎月給与が振り込まれる
公共料金の支払いや日用品、食費に至るまで、生活のためにお金が引出される
口座の中にお金が不足していれば残高不足で手に入れるべきものを手に入れられない、払うべきものを払えないという状態に陥る
人間関係もこの”口座”に似ているそうで、これを”信頼口座”と言います
私があなたに無礼を働いたらその分だけあなたの中にある私の口座からは信頼が引き出され、感謝を伝えたり、誠実な態度で接すると口座に預け入れされていく
人間関係も本当の口座も預金が0になったら、ハイおしまい
ではなく、また一から貯め直すことも可能です
「もうあの人とは縁を切りました」と言うような人がいたとして、一生関わらずに生きていくことは可能です
しかし、「預け入れをしたいな」と言うときには関係は最悪で無視をされようとも”関わる”ことはで、預金を始めることが可能です
これは口座も同じですよね。0になった途端口座を凍結されるわけではありませんから
相互依存の関係において、様々な成果を得るためにはお互いの関係が良好でなければなりません。実りある人生を送るためにはその努力を惜しんではいけない
さて、ではこの人間関係における信頼口座を貯めていく具体的な6つの方法を挙げます
- 相手を理解する
- 小さな気遣い
- 約束を守る
- 期待を明確にする
- 誠実さを示す
- 引き出してしまったときには心から謝る
一つずつ簡単にみていきましょう
相手を理解する
全ての預け入れの基本姿勢
あなたにとっては良かれと思ってやったことが、相手にとっては口座から引き出してしまうことになったりもすることがある
つまり、相手の価値観をきちんと理解しようとすることが大切です
相手の大事なことを自分にとっても大事なこととすることで「わかってもらえた」と預け入れが増える
小さな気遣い
どんなことを相手にしても、そこにちょっとした思いやりや気配りがなければ
逆に大きな引き出しとなることもあります
逆に言うとほんの些細なことしかしていなくても、相手があなたの所作に細かな気配りを感じたら大きな預け入れとなり得るわけです
約束を守る
約束を守ることは次に同じようなことがあったときに「今度も大丈夫」と担保することになる
一方で約束を破ることは、こちらがどれだけ約束を守るつもりでいたとしても
「今度もどうせ守らないんだろう」と口座が一向に溜まりにくい傾向を引き寄せてしまう
先にも述べたように信頼はどんな状況下でも回復するものです。しかし、約束を守るか否かは信頼口座の預け入れのスピードに大いに関わります
期待を明確にする
人は往々にして相手に対して勝手に期待を抱くもの。「きっとこうしてくれる人だろう」「これはやってくれるんだろう」それは家庭においてもビジネスシーンにおいても同様
しかし、この「やってくれるんだろう」の期待を知らず知らずのうちに裏切り、口座を引き出すことになることがある
こんなことにならないようにお互いがお互いに対してどんな役割を担っていると思っていて、何を期待しているのか、これを明確にすることで小さな誤解を積み重ねてしまう心配はなくなる
誠実さを示す
誠実というのは自分の言葉に現実を合わせること
約束を守ることも誠実に含まれる。誠実さがなく、本人のいないところで陰口を言うような二面性を持ち合わせていると、聞いた相手は「私がいないときには私のことをこうやって違う人に言うんだろう」と思われ、信頼口座が貯まることはなくなる
「本当は秘密なんだけど・・・」と一見預け入れに見える秘密の共有も同様で他で私の秘密もバラしていると思われると信頼は一気に引き出されてしまう
引き出してしまったときには心から謝る
間違いは頭で起こる。しかし、間違いを認めようとしない態度は心の間違い
そのような態度だと簡単に許してもらえず、口座は0になりかねない。一方で心からの謝罪は逆に預け入れとなる可能性がある
しかし、心からの謝罪が可能になるのは自分に自信があって内面が安定している”自立”した人間になってこそ
周りの評価を自分の心の安定にしている人は、謝ることで弱腰に見えたり、弱みに付け込まれるのではないかと思い、周りの目が気になって謝ることができない
ここまで見てきた様に、信頼口座を貯めようと思ったらまずは自分自身が”自立”できていることが必須条件になるわけです
小手先のテクニックやスキルではすぐに化けの皮が剥がれてしまい、信頼口座は残高不足となること間違いなしです
一方、信頼口座が貯まってくると簡単には壊れない関係となり、子供や愛する人、大切な人から将来を左右する様な重要な相談を受けることができたり、より生産性の高い事業に移行するために他の役員と腹を割ってより良い意見が交換できる様になったり
自立して1人で生きていくよりもはるかに豊かな人生を送ることができる様になるわけです
この6つに加えもう一つ”無条件の愛”という預け入れをするときは、相手に最も基本的な原則に従って生きることを相手に促すことになります
無条件に愛することで相手は安心感を得て自然と成長を促されます
それはすべきではない行動を大目にみたり、甘やかすということとは違います
相談役となり、弁護し、相手の存在を守り、期待を明確にする、無条件に愛する
これを姿勢で見せることによって相手は自分の影響の輪の外にある刺激に対して反応的(あいつのこの発言がムカついた)な態度を取る必要はなくなり、自立していくことを手助けすることができます
多くの人が「たくさんの人を救おう」「多くの顧客を満足させよう」と仕事に精を出します。しかし、本当に難しいのは身近な家族や友人、仕事上のパートナーを大切することです
これはアドラー的には仕事のタスク、友人のタスク、愛のタスクという人間関係の距離と深さを基準とした課題にも通じますが、相手との関係が親密であるほどこの信頼口座の預け入れは困難さを増します
しかし、返ってくる喜びも比ではないだそうです
信頼口座を貯めていくのは容易なことではありませんが、より豊かな人生を送るために早急に”自立”し、多くの人、特に身近な大切な人との口座をいますぐにでも貯めていきましょう!
ではまた!
らこ太